燕岳~常念岳 (後編) [おでかけ]
三日目。今日は常念岳に登ります。
朝5時前。オリオン座と冬の大三角が昇ってきています。
日の出前に常念岳を登っていく人たちのヘッドランプ。
東が赤くなってきました。
小屋のバイトさんたちもぞろぞろ出てきました。
「俺4月からここにいるけど、初めて見たわ」
ちょうど朝食の準備で忙しい時間帯なんだそうです。
あれ?予想外の位置から登り始めるお日さま。
もっと上から出るのかと思った。
今日もいい天気になりそうです。
槍ヶ岳の左肩には槍ヶ岳山荘。
手前の尾根にヒュッテ西岳が見えます。
向こうからも、今たくさんの人たちがこっちを見ているはずです。
朝食を食べて、身支度をします。
ここに戻ってくるので、ザックから要らないものを分けて小屋に置かせてもらいます。軽い軽い。
素晴らしい青空。
さて出発です。この天気が続いているうちに登りたいな。
常念岳への登りは急なガレ場で、なかなか大変だと同室の人たちに聞きました。
常念小屋を見下ろします。
岩につけられたマル印を追って登ります。
どっちを向いても同じような斜面でルートがわかりにくい箇所もあります。上に向かって進んでいけばいいんですけどね。
傾斜が少し緩みます。
小屋からは影になって見えなかった山頂が見えてきました。
常念岳2857m、登頂ー!
すごい!きれい!
富士山!
槍ヶ岳!
槍さんのポーズ!
山頂は大岩がごろごろと積み重なった狭い場所で、どっちを向いても足元を見下ろすことができます。
一段下がった岩に腰掛け、ひと休み。
東側からは雲が常念乗越を越えてあふれてきますが、西側ではすぐに四散して消えていきます。
そばにいたおじさんたちが動画を撮ろうとか話をしているのを聞いて、自分も撮ってみました。
入っている声はそのおじさんたちです。
さて、狭い山頂にいつまでも居座ってもいられないので、下りるとします。
ガレ場の下りは登り以上に慎重にしないといけません。足をひねったりしないようにしないと。
登りでも思いましたが、ダブルストックは本当に役に立つなあ。
いつでもつかまっていられる自分専用の手すりがあるみたいなもんです。
「こんにちは。靴は大丈夫?」 あら? 昨日靴の話をしたご婦人グループが入れ違いに登ってきました。
おかげさまで大丈夫です!
思ったほど苦労せずに下りてこれました。
天気が良くて、朝いちばんで元気いっぱいだったし、荷物も軽かったしね。
常念小屋に戻ってきました。
ほぼコースタイム通りだ。
あとはもう下山するだけです。
下りはコースタイムで3時間20分。
しっかり休憩して、とっておきのおかしやら何やらでエネルギーを補充しておきます。
下山先は常念岳の定番ルート、一ノ沢。
バスは通っておらず携帯も通じないということで、常念小屋からタクシーを予約しておくのが通常です。
3時間45分後、ということにしておきました。
燕山荘からときどき一緒になり、常念小屋では同じ部屋だったおじさんが、ここでもまた一緒になりました。
この方はサッカー40年、マラソン、沢登りに山登り、海外遠征と何でもやっている人です。
ルートは自分と同じですが、一ノ沢からは駅まで10kmくらいだから歩こうかなとか昨夜は言っていました。
せっかくなのでタクシー代を割るためにも一緒に乗りましょうという話になりました。
下りはすぐに樹林帯に入り、高山らしくなくなってきます。
沢沿いの道なので水が豊富。ときどき顔も洗えます。
上から見たときにはこの谷は雲に覆われていましたが、今はもうかんかん照りになりました。
ここまできたら雨になんか降られたくありません。
今回の全ルートで唯一、転落注意と地図にある胸突八丁の高巻き道です。
晴れの中歩く分には案外普通の道でした。
どっちかというとこの後に何度も渡る丸木の低い橋のほうが好きじゃなかったです。
子供がたくさんいるぞ。遠足か。
聞いてみたら、中学で常念岳まで一泊で登るそうです。それは大変だ。ちょっとうらやましい。
もし自分の日程が1日遅れていたら、常念小屋ではこの大集団とかち合っていたのか。
このあとおじさんはお昼の大休止を取るというので、自分は自分のペースで先に行くことにしました。
たぶんあと1時間半くらい。タクシーの時間までは2時間あるし、ゆっくり行っても大丈夫でしょう。
と思ったら、ここからがすごく遠かった。
地図上の次のポイントになかなかつきません。通り過ぎちゃったのかなあ。
やっと王滝ベンチだ。やっぱり予想よりずいぶんかかった。
地図ではここから登山口まであと1時間。でもここの標識には1時間半て書いてあるぞ。
これはタクシーの時間には間に合わないかも。
ちょっと急ごう。
古池。何かが泳いでいます。
足の裏にまめができてきた感じ。むー。この靴では仕方ない。むしろこの程度で怪我もなくすんでよかった。
山ノ神。
天気も良く、楽しく無事下りてくることができました。ありがとうございました。
ここまで来ればあとちょっとです。
一ノ沢登山口到着~
長かったなー。タクシーを予約した時間ぎりぎりでした。
コースタイムの読みが甘かった。
タクシーは3台くらい待っていて、特にどの車が誰を待っているとか決まっているわけではないようです。(予約は要りますけど。)
時間をそんなに気にする必要はなかったみたい。
あとからもうひとり下りて来ると伝えて先に別のパーティに乗ってもらい、自分はシャツを換えたりトイレに行ったり足を伸ばしたりしています。
10分もしないうちにおじさんも下りて来ました。自分の歩行時間よりも20分も速ええ。
タクシーで温泉施設まで行って汗を流し、やっとさっぱりできました。
帰りのバスの時間がなかったのでここでおじさんと別れ、帰途につきます。
またどこかの山で。
今回台風や前線の影響が懸念され、自分も話を交わした他の人たちも、雨の中の登山になることを半ばあきらめていたところがありました。
でも蓋を開けてみればすばらしい晴天。最後まで雨に降られることなく大展望を楽しむことができました。
また来たいな。と言うか来ます。
最初からこんなに恵まれていては、次回は本当にずっと雨の中になったりして。
今度BS日テレでこれと同じコースを、『山登りはじめました』の鈴木ともこさんも一緒に歩くそうです。たのしみ。
自分みやげ。
燕山荘で買ったイラストルートマップのバンダナと、常念小屋で買ったアルプス限定登山靴キューピーちゃん。靴ってこれコスチュームじゃないだろ。
ひさみねさんの行動力には頭が下がります。
写真も素晴らしい!
by Sakuya2634 (2011-09-04 01:11)
すばらしいお写真拝見させていただきました。
ありがとうございました。
by JUN (2011-09-04 09:37)
> Sakuyaさん
自分は基本引きこもりなので、こういうのは自分には大冒険だったりします。w
> JUNさん
すばらしい景色を拝見させて頂きありがとうございましたってお山に言っちゃいます。
by ひさみね (2011-09-04 10:16)