学研ふろく 二眼レフカメラ
出張中に何のきっかけでか、学研のふろくの二眼レフカメラが欲しくなりました。
学研『大人の科学マガジン』vol.25のふろくで、組み立て式。
ふつうの35mmフィルムが使えます。お値段2500円。
3年前のものですが、今でも他の号と一緒に本屋さんでよく見かけます。
自分の子供の頃は『○年の学習』派でした。
基本的には理科好きっ子なので『○年の科学』も欲しかったのですけど、両方は買ってもらえなかった。
じゃあ『科学』にすればよかったかというと、読み物も好きだったのでその考えはなかったです。
ただ『科学』のほうには顕微鏡だの実験セットだのがふろくになっていて、どうしてもそれが欲しかったときにはその月だけ『学習』を『科学』に替えてもらったりしてました。
その月だけ読み物の話が飛んでしまいますけど、あまり問題なかったような。
説明書はなかなか親切なので、ときどき不安になりながらも組み立ては進められます。
カメラの心臓部、ばね仕掛けのシャッター機構まで組み上がりました。
動作テスト。
動く動く!
ちゃんと一瞬シャッターが丸く開いています。
機構の音が気持ちいい。
2時間で完成。その名も「Gakkenflex」。
付属の冊子によると、当時の2眼レフカメラはたいてい「○○flex」という名前だったようです。
2眼レフカメラは戦後に大ブームとなったタイプのカメラで、多くのメーカーから様々な機種が発売されました。
その後現在見られるような一眼レフなどのタイプに取って代わられほとんど姿を消しましたが、今でもトイカメラなどでは健在です。
ディケイドの人も二眼のトイカメラを使ってましたね。何だあれって思ってました。
カメラの上からファインダーを覗き込むと… おお、見える!
液晶画面とかないのに映っています!
小さなスクリーンの中の像は微妙な立体感があって、ミニチュアを見ているような気分です。
電池とかは一切使わないので、「使い終わったら必ず電源を切る」という当然の決まりごとが適用できず、なんか不安になります。
さっそくフィルムを入れて試し撮り。
フィルムを買うのも初めて、カメラにセットするのも初めて。
カメラが自動で巻いてくれるわけでもなく、手でノブをくりくり巻いてフィルムを送ってやらなければなりません。
翌日写真屋さんに現像に出しました。これも初体験。
一枚も撮れてなかったとかあり得るよなー。
シャッターの動作が不完全だったり、光が漏れててフィルムが感光してたり、フィルムの送りがうまくいっていなかったり…。
CDに焼いてもらった写真を見て、とりあえずひと息。写ってます!
写っているかわからないものを紙にプリントしてもらうには忍びなかったので、CDだけです。
ピントの無限遠と最小撮影距離の位置もチェックできました。
フィルムはISO400のを使いました。ISO感度ってデジカメなら設定で変えられるのに。
シャッター速度や絞りもこのカメラは可変できず、固定です。もちろんズームもなし。
屋内とか日影とかはかなりつらいみたいで、ほとんど写ってませんでした。
試し撮りの現像結果も見ないうちに2本目のフィルムをセットして、お出かけです。
デジカメのレンズ1本よりもはるかに軽くて、大きさも同じか小さいくらいなので、ウエストポーチに突っ込んでおきます。
フィルムは24枚撮り。
デジカメだと自分は1日にだいたい100~200枚くらい撮っているので、そういう乱射はできませんね。
まともに撮れてるのは10枚に1枚の法則。
「まとも」のハードルがぐっと低くなるとは言え、やはり半分以上は何も写ってないに等しい状態でした。暗いところはつらいなー。
PCで少しレベル補正などはかけてしまっています。
室内のやつはノイズリダクションもしてしまいましたが、トイカメラでそれもどうか。
それでも赤の発色はすばらしく、また像の中心付近はピンボケと手ブレさえなければけっこうシャープに写っています。
像の周囲は、シンプルなプラスチックレンズゆえ派手な減光と像の流れが目立ちます。
こういう感じこそがトイカメラ。
真上から見下ろすファインダーなので、こういうローアングル撮影がしやすいです。
失敗の大部分は光量不足。
カメラの露出補正とかも当然ないのですけど、絵の加減は現像するときにうまいことやってくれてたりするんでしょうか。
雨の日の紅葉なんかでも、とてもいい感じに出ています。
デジカメだとけっこう撮りにくいのに。
小さなファインダーの像では、ピントが合っているかどうかもよくわかりません。
事前に目印をつけておいた無限遠(2m以上)と最短撮影距離(0.5m)の間で適当に合わせ、不安なときは少しずらしてもう一枚撮ったりします。
1枚撮るたびにノブを回してフィルムを1枚分送らないと、同じ場所に2回露光して二重写しになります。送り量も目印を見ながらこのくらいで送るので、写真と写真の間隔はちょっとばらつくし。
現像が上がってくるまではどう撮れているのか一切わからないというのがおもしろい。
ところでカメラ本体は2500円とあまり怖くはなかったのですが、フィルム1本の値段とそれを現像する値段で合わせて1400円くらいかかります。
デジカメと比べると、恐るべきランニングコストの高さ!
青梅駅ホームのレトロ展示を、レトロなカメラで撮る。
よく見たら左上に、ご先祖様の二眼レフカメラ(を模した日光写真機)が写ってました。
2500円としては素晴らしいコスパですね。私はフィルム世代だから違和感ないけど現像出すのも初めてだとスゴイ新鮮でしょうね。
写真もちょっとレトロっぽくなり、温もりが感じられますよね。
by JUN (2012-12-04 08:44)
組み立てて動作を見るだけでも元が取れるというものです。
むしろ、撮れば撮るほどコストがかかる!
でも今度何枚かプリントに出してみようかと思います。
こういうトイカメラにも魅力があると思うと、カメラの良し悪しって何なんだろうとも思ってしまいました。
by ひさみね (2012-12-04 19:45)
面白そうなオモチャを見つけてきましたね。
『×年の科学』派だった私も、こういう大人の工作?大好きです。
カメラの良し悪し、難しいですね。
最近のカメラにはお手軽トイカメラエフェクトとかあったりしますが、本物のトイカメラでひと手間かけて撮るのとは、どこか何か違う気がします。
by Sakuya2634 (2012-12-08 22:54)
デジカメのトイカメラ効果がいまや珍しくないのは、やはりこの味に魅力があるからでしょう。
かといってそういった画像加工に頼っても、写真に水彩画フィルタをかけたところで水彩画としての魅力が出るはずもないのと同じに思います。
トイカメとデジカメを比べるのは、水墨画と3DCGを比べるようなもので、それぞれに得手不得手があるけど一方がもう一方を代用できるとかいうもんではないのだと考えています。
by ひさみね (2012-12-09 20:44)